車で旅行するときの、メリットはなんといっても行き当たりバッタリの観光ができること。行きたいところはたくさんあるのですが、すべて回っていたら時間が足りなくなってしまいます。そこで、ある程度行きたいところは決めておいて、あとは、時間と道路地図、自分の記憶、そして「ある標識」に任せます。

標識

“Archaeological Site”はGreekish?

このある標識というのが茶色の地に、黄色い文字のギリシャ語に白文字の英語が併記されている標識。遺跡や博物館が近づいてくると、道端に出てきます。つまり、近くにある遺跡や博物館への方向を教えてくれる標識なのです。標識はギリシャ全土で共通のようで(文化省が整備しているのでしょうか?)、アテネ市内でも見られます。その遺跡や博物館がそれなりの規模のときには、遺跡名や博物館名がきちんと明記されているのですが、“Αρχαιολογικλός Χώρος”(Archaeological Site。これはスペルミス?実際にこう書いてある標識を見つけた。Greekish?)としか書かれていないものもあります。

アテナ・アレア神殿

この標識を頼りに訪ねた遺跡で今回「当たり」だったのが、テゲアのアテナ・アレアの聖域跡。テゲアは、アルゴスとスパルタの交通の要所を押さえ栄え、マンティネイア、そしてスパルタとの抗争を繰り返し、紀元前6世紀にスパルタが盟主たるペロポンネソス同盟に下ったポリスです。ミストラ観光を追え、スパルタからトリポリに向かう途中の、まさにトリポリを目前にしたときに、このテゲアの遺跡が近いことを教えてくれる、あの標識を見つけたのです地図。標識を頼りにテゲアに向かうと、そこは小さな村。小さな広場に車を止めて、すぐそばにあるアテナ・アレアの聖域跡に。入場料はなし。係員もいない。鉄の扉を自分で開いて遺跡の中に入る。柱はゴロゴロと転がっているが、復元されている柱は一本もない。ときおり、農作業から帰ってくるトラクターやバイクのエンジン音が聞こえるぐらい静かな村の中の、静かな遺跡。そして、その遺跡をパートナーと貸切状態。一通り遺跡の回りを散歩した後、歩いて2分ぐらいのところにある考古学博物館に向かったのですが、タッチの差で閉館。これだけは残念。遺跡は後回しにしておけばよかった。博物館から車を止めた広場まで歩いていると、ベランダで日向ぼっこをしているおばあさんがこちらを見ている。“καλησπέρα”と声をかけるとにっこりとして“Καλήσπέρα”と返してくれました。のどかな光景。観光客で溢れかえる名所にはないものものです。パートナーも今回の旅行で気に入った場所のひとつだったそうです。

アテナ・アレア神殿

こんなちょっとした見所に導いてくれる茶色の標識を、運転しながら、あるいは助手席に座っていながら、見つけるのは自動車旅行の楽しみ。でも、逆に見落としてしまうと、残念な思いも。今回、残念だったのは、メガロポリの遺跡の標識を見落としたこと。メガロポリの遺跡は、その背景に火力発電所を臨み、古代と現代のコントラストを視覚的に感じることができると思っていたからです。とはいえ、また行けばいいかと思っています。あの標識と、そして、今回の残念な記憶を頼りに。

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